組込型金融サービス等の普及を加速する、オープンAPI市場が誕生

銀行APIの開放は欧州が先行――。日本でもエンベデッドファイナンス(組込型金融)等の今後の発展を踏まえ、オープンAPIの一層の活用が金融業界のテーマとなっている。

'17年に銀行法が改正され、金融機関にAPI連携に関する努力義務が課された(参考:全銀協PDF@官邸Web)が、オープンAPI利用拡大の道は遠い。原因の1つは、それぞれ多数であるAPI提供者とAPI利用者のマッチングの難しさにある。両者はともに自らの狙いに合致する相手を探すのに時間がかかっているという。

NTTデータは今年10月、誰でも無料でAPIを登録/検索できる金融APIマーケットプレイス「API gallery™」をウェブ上に開設する。これに先立ち、8月31日からAPI提供者(プロバイダー)の募集を始めた。同マーケットプレイスは"特定の企業/団体に縛られず幅広いAPIを中立的に掲載""幅広いAPIを中立的に掲載""ソリューション単位の検索でビジネス活用が容易に想定可能""コミュニケーション機能でビジネス創発を促進"を特長とする。

API galleryにより、組込型金融や金融機関と行政機関のシステム接続など、業界の垣根を越えたデジタル化を推進する。例えば、行政のマイナポータルと金融機関の勘定系システムがAPIでつながれば、年末調整等の行政手続きをワンストップ化することも可能になるという。同社は新しい金融IT戦略「Open Service Architecture®」コンセプトに基づき、これを日本最大の金融APIエコシステムへ成長させる――

本年度中に金融機関/企業を合わせて200団体以上の参加を目指し、22年1月をめどにSlack等を活用したAPI利用者同士のコミュニティー機能も追加する予定だという。API gallery開設記念イベントが来月6日、オープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から®」にて開催される。