医療DX、高齢者の運動器ケアをスマホアプリで支援

およそ10年前に超高齢社会となった。日本において現在、要介護状態になる前から支援に取り組む「介護予防」の重要性が高まっている。要介護状態となる要因の中では、関節疾患や骨折・転倒などの運動器疾患が24%を占めている――

内閣府「令和3年版高齢社会白書」(PDF資料)の図1-2-2-10にある数字を足せば上記数値となる。今日、要介護状態と健常状態の中間であるフレイルや、要介護リスクの高い状態としてロコモティブシンドロームのような運動器疾患に起因する概念にも注目が集まっている。他方、AIを活用したサービスによって、社会課題が解決されつつある。

運動器の機能の中でも、歩行機能は日常生活の質の維持において中核的指標であり、機能低下と様々な運動器の疾患リスクや死亡率との関連性も示されている――長寿科学振興財団「健康長寿ネット」、厚労省「健康日本21(身体活動・運動)」――ことから、高齢者の歩行機能を把握することは、要介護リスクのみならず、高齢者の健康リスクやQOLを評価するうえでも重要な位置を占めるが、専門的な知識が求められる。

歩行機能の評価には、理学療法士等の見解が必要であり、一般の生活者でも一目で分かる仕組みが不足しているという。エクサウィザーズは、アステラス製薬国立長寿医療センター荒井秀典理事長、および順天堂大学・スポートロジーセンターとともに、歩行機能を評価するスマホアプリを開発し、回復期病院での運動器ケア支援の実証試験を8月30日に開始した。

骨格抽出技術を活用し、高齢者の歩行の様子を撮影した動画から歩行速度を含む複数の歩行状態を可視化できるAIアルゴリズムとソフトウェアを開発した同社は、これを応用し、荒井理事長監修のもと、アステラス製薬との協業を通じて、高齢者の介護予防と医療現場の支援を目的とした上記アプリを共同開発。AIアプリ「ケアコチ」が今回の取り組みの起点だったという。