全社DX事例!統合データ基盤を構築し基幹システムをクラウドへ

創薬分野で多くの可能性を秘めた「糖質科学」のパイオニアとして、独創的な医薬品・医療機器を生み出している。その製薬企業は、豊かな未来を創造――ITユーザとしては3年前から新たなシステム基盤の構築を検討していた。

'07年導入会計パッケージのEOSに加え、新薬開発の技術革新や毎年薬価改定(厚労省PDF)といった製薬業界の環境変化もあり、新システムには経営判断の迅速化に繋がる全社データ連携基盤の構築が不可欠であった。生産・販売・原価管理にはSCMパッケージ「mcframe」を使用していて、パッケージベースの基幹システムをサステイナブルにする、クラウドへの移行を必須条件にしたという。

生化学工業において、インテックはデータ活用基盤を構築し、今年4月に基幹システムをパブリッククラウドへ完全移行した。同社は製薬業界での実績が豊富で、旧基幹システムの導入も支援したことから、今回の結論(事例)に至ったという。顧客は会計パッケージの新版「SuperStream-NX」導入に際し、業務フローを見直してアドオン機能をゼロにし、保守費用を大幅に削減した。

DWH、社内の各業務システムからデータを抽出するEAIを構築し、データを分析・可視化するBIツールを導入することで、IT部門に頼らず現場主導でデータを活用する仕組みを達成した。その結果、経営会議向けの経営ダッシュボード作成、工場での製品の歩留まりチェック、本社の営業部門での販売状況の分析など、データ活用が各部門で進んでいる。

システム基盤には「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用。基幹システムのOCI移行により、レスポンスの向上、データベース関連のランニングコストの大幅削減を実現した。バックアップ運用もテープ記録・保管方式からクラウドリージョン間バックアップに変更、これにより手間と保管スペースの課題を解決できたという。