持続可能な資源、サプライチェーン全体で透明性・信頼性アップ

生物資源由来のバイオマスプラスチックや、リサイクルなどで製品を作り続けていく――。そのためには、原材料の使用量などの管理、認証材料などエビデンス管理が重要となる。各サプライヤーのCO2などGHG排出量の可視化や、最終消費者への製品の環境配慮度の見える化も求められている。

事業活動と地球環境との共生を常に考え、さまざまな施策を推進している。"2050年のありたい姿"を示すものとして環境ビジョンを策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」を実現していく価値創出の取り組みを加速。人々の身近な食品・日用品等の包装材については、環境配慮パッケージングGREEN PACKAGINGを展開し、「資源の循環」「CO₂の削減」「自然環境の保全」の価値を社会に提供しているという。

DNPは、MCCリファインバースと連携し、オランダCircularise社の情報管理システムを活用し、バイオマスやリサイクル原料の管理追跡(トレーサビリティ)、ライフサイクルアセスメント(LCA:製品・サービスのライフサイクル全体または特定の段階における環境負荷を定量的な指標で評価する手法)等の環境負荷の評価指標への対応を含めた、透明性・信頼性の高いサプライチェーン構築について、9月末まで共同して実証試験を行う。

国連SDGs/持続可能性の実現努力に資する上記システムは、パブリックブロックチェーン(完全オープンな分散型台帳)を利用し、原料から最終製品まで追跡する。サプライチェーントレーサビリティシステムであり、機密性の高い独自の暗号化技術により、供給チェーン内各社の機密情報や公開情報を管理・共有できるという。

今回連携する3社は、バイオマスやリサイクル原料を使用した製品のさらなる高付加価値化や認証材料の管理にも寄与する、高いトレーサビリティ精度を有するサプライチェーン構築の有用性を検証していく構えだ。