ネットショッピングおよびEコマース事業での返品処理をデジタル化

スマホの普及とともに消費者向けEコマース(EC)市場が急拡大した。そこにコロナ対策としてのステイホームやテレワークが加わり、新しい生活様式におけるECは社会インフラのひとつとなった。

昨今、データ駆動型の多様なサービスによりEC商品の「受け取りの利便性」は向上している。一方、購入商品の返品時には、電話での宛先確認や手書き伝票の作成、指定店舗への持ち込みが求められるなど、アナログな手続きが多い状況にある。EC事業者においても、返品処理時に発生する業務負荷が大きく、その軽減に向けた対応が急務になっているという。

ヤマト運輸は、EC商品の返品時における顧客利便性アップに向け、Doddleの返品システムと自社の配送ネットワークを連携させた「デジタル返品・発送サービス」をEC事業者向けに開始した。8月26日、そのファーストユーザーとして、ギャップジャパンが公式オンラインストア「Gap」および「Banana Republic」にて同サービス(「らくらく返品受付サイト」)の利用を始めた。

返品手続きや業務をデジタル化することで、ネットショッパーは最寄りの宅急便センターやPUDOステーション、一部のコンビニ店舗などから伝票レスでの返送が可能となる。EC事業者においては、返品処理時に発生する業務が効率化されるうえ、返品受付サイトの構築を含めたパッケージでのサービス提供となるので、初期コストを抑えて短期間でサービスを開始できる。

EC事業者は返品予定情報がデータ化されることで、返品荷物の到着前に業務量の把握ができる。顧客の生活スタイルに合わせた返品対応が可能となり、顧客満足度向上につなげられるという。ヤマト運輸とDoddleは、今後も連携し、返品領域における物流のデジタル化を加速させ、EC事業者、利用者、物流事業者にとってより付加価値の高い「ECエコシステム」構築に向けた取り組みを進めていく考えだ。