産学融合、資源を連携する研究プロジェクトにて感動を科学する

それは、強い感銘を受けて深く心を動かすこと。人の心を動かしてある感情を催させること、他からの刺激に反応するか、作用を受けて動くか動かすことだと『精選版日本国語大辞典』(小学館)にある。「感動」とは、実際のところ何なのだろうか、その量は測れるのだろうか――。

「挑戦をもっと自由に」という立命館大学のびわこ・くさつキャンパス(BKC)総合科学技術研究機構と、「感動創造企業」を掲げるヤマハ発動機は20日、双方の資源を連携し、人間の生における感動の意味・感動の機能とは何かをメインテーマとした領域横断型価値創造プロジェクト(共同研究)を開始したことを発表。21年度に基礎フェーズ、22年度に応用フェーズから発展フェーズ、23年度に社会実装を予定している。

感動(KANDO)の解明・社会実装に向け、心理研究グループ、生理研究グループ、脳科学研究グループ、ブランディンググループにおいてそれぞれ感動の明確化、数値化、可視化、ブランド化についての研究を行う。感動(KANDO)を科学する同プロジェクトでは適宜、ヤマハ発動機から研究サポートとフィードバックを受けながら 立命館大学が研究を主導――。いずれ技術、製品、テクノロジーへ応用することを検討しているという。

心理研究グループが大規模質問調査と認知心理実験とを用いて感動の概念と尺度を明確化し、生理研究グループが感動を一過性の心身反応・短期的な心身変化といった心理(尺度)の変化で数値化し、脳科学研究グループが磁気共鳴装置と機能的磁気共鳴画像により感動体験すなわち脳活動・脳機能の変化を心理(尺度)変化として可視化――

それらを相互連携しながら解明した感動を、ブランディンググループが消費者を対象とした定性的調査と定量的調査によりブランド化して、Well-beingへもつないでいくという。両者は、新たな「産学融合」による新価値創造をめざしている。