要支援・要介護者と訪問看護師をAIにてマッチング

適切な介護サービスの仲立ちをする。ケアマネジャーは、訪問看護師の割り当てに際してその人が所属する事業所へ都度個別連絡する。今日、要支援・要介護者への対応を柔軟にするため、希望時間帯に動ける訪問看護師を複数見つけておくことが求められる場合もあり、負担が増大している。

一方、事業所においては訪問看護師の人材不足が深刻化する中、ケアマネジャーと日々連携しながら訪問看護師を効率的に調整・割り当てる必要があり、各訪問看護師の対応可能な業務内容、それぞれの空き状況や訪問エリアなどの情報を効率的かつタイムリーに管理・発信することが求められているという。NECは、Cone・Xiと共同で、要支援・要介護者と訪問看護師をマッチングするシステムの実証実験を9月下旬から岡山市で行う。

NEC独自のAIを活用して、同市内の訪問看護ステーション約20事業所に所属する訪問看護師を対象に、ケアマネジャー(約50名)が担当する訪問ケア希望の要支援・要介護者とのマッチングを行うしくみを検証する。ケアマネジャーが登録した要支援・要介護者の情報(必要なケア、希望日程、住居エリアなど)と、訪問看護師が登録した情報(専門分野、対応可能なケア、空き状況、訪問エリアなど)を同システムで分析し――

適切な訪問看護師の候補者一覧をケアマネジャーに提示する。これにより、ケアマネジャーは事業所・訪問看護師選定などの業務を効率化できる。訪問看護ステーションも、ケアマネジャーへの営業や電話のやり取りが減り、要介護者のケアなど本来の業務に専念できる。地域の訪問看護資源を有効活用し人材不足の課題解決の一助になる、と同時に、要支援・要介護者の生活の質の向上に貢献するという。

両社は今回のしくみを訪問介護士などのマッチングにも適用していくとともに、ICTを活用した情報基盤を構築し、事業所個々の更なる業務効率化と質の向上の支援を目指していく構えだ。