小売系中小企業でAIを活用、従業員の創造的業務を支援する

コロナ禍でネットビジネスが一層隆盛している。昨今、実店舗では、感染症対策はもちろんのこととして、これまで以上に特徴ある店作りや顧客体験作りなど、来店理由を創出するための企画が重要性を増している。小売業界では以前より、「人材確保」「育成対策」が経営課題の上位を占めていた。

なかでもベテラン社員を教育や指導など高度な業務にシフトすることが喫緊の課題で――。DXを推進するにしても、一般的にAIによる需要予測等は専門家やデータアナリストを必要とし、中小企業では導入が進んでいない(令和2年情報通信白書)。一方、中小企業のAI導入による推定経済効果は25年までに11兆円と試算されていて(経産省PDF)、AI技術の利活用が進めば、生産性の抜本的改善が期待できると考えられている。

上述のような課題に対し、AIを活用することで人間にしかできない創造的な業務を行う環境を創出し、働き方改革コンセプト「いいじかん設計」の基、企業で働く人の"創造じかん"を生み出す支援を提供していくという。コニカミノルタジャパンは今月19日、小売店が行う在庫管理や発注業務、販促業務の効率化・高度化に向け、AIを活用した需要予測を提供するクラウドサービス「AIsee powered by CJ-DMP」を発売した。

AIseeでは将来的に、データアナリストによる「データ分析」メニューを別途提供していく。他システム連携機能やデータ加工機能を用意し、「情報」から役に立つ「知識」へ広がるレポートなども届け、データのアライアンス化(共有)によって、店舗経営での経験や知恵・勘をAIに組入れられる仕組みを提供する予定だという。

同社は、顧客行動データの統合による顧客接点の可視化を実現する取り組みなど、デジタルを中心とするマーケティング施策支援を行っている。今後も様々な角度で企業のデータ活用の推進を強力に牽引していく構えだ。