しかし良品・不良品の判定にAI技術を適用する際、発生頻度の低い不良品や異物などの検査対象物の画像データを事前に大量に収集することは、製造品質が向上している昨今難しい状況となっている。AIの学習モデルの作成や評価には、専門性の高い知識を要するケースが多く、顧客が自らそれに対応することは困難といった課題もあるという。
NECソリューションイノベータは今月17日、良品画像の学習のみでAI技術により良品・不良品(2級品)を検出・分類する機能を追加したクラウドサービス「NEC AI・画像活用見える化サービス / 生産管理・検査支援」を、主に食品製造業に向けて提供開始した。同サービスの無償オプションとして、学習モデル作成ツールも同日より提供する。
このたび、独自アルゴリズムの追加により、収集した良品画像のみを学習するだけで良品・不良品の検出・分類を行うことを可能とした。これにより、良品の多い検査対象物においても、発生頻度の低く画像の収集が難しい不良品や異物の検出ができる。上記新たな見える化サービスは、対象物の状況に合わせた検査の実施と生産現場における検査業務の更なる改善を支援する。
例えばサバの加工ラインにおいて、サバ以外の魚種画像を準備できない場合でも、検出したいサバの画像のみを収集し学習させることで、検出・分類が可能となる。一方、学習モデル作成ツールでは、専門知識がなくともブラウザの画面上で学習モデルの作成や評価などの動作確認、学習モデルのクラウド環境への登録ができる。顧客自身で検査対象物の追加や判定条件の変更を行えるという。