無人自動配送ロボットによるシェアリングサービスを公道実証

様々なしくみのデジタル転換が進む昨今、スマホが普及した頃からのEコマースの隆盛もあり、各地でサプライチェーンを強靱化する取り組みが始まっている。物流を生業ないし必須とする業界では、各拠点から住宅や指定地への配送(ラストワンマイル物流)効率等が課題となっている。

そこに新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生し、一向に終息の見込みが立たない事態となり――。いま、コロナ禍の影響により、ラストワンマイル物流における「遠隔・非接触」ニーズの増加、配送における人手不足の一層の加速が予測されているという。KCCSは今月16日、無人自動配送ロボットによる工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実証実験を石狩湾新港地域の公道(車道)にて開始した。

北海道運輸局から車両の自動走行や近接・遠隔監視での運転操作が可能となるように保安基準緩和認定を受け、北海道警察から自動走行ロボットの公道(車道)実証実験に関する道路使用許可を取得し、石狩市の協力を得て、さらに損保ジャパンのリスクアセスメントを実施したうえで行っている。今回の実証実験では、地域内の事業者でシェアリングする無人自動配送ロボットが、小売店商品や企業間輸送貨物などを配送するという。

広域にわたる工業団地での共同利用・効率的な配送を想定し、これまでの実証で主流だった電動車いす体よりも大型・高速なロボット(ミニカー相当の大きさで最高時速15km/h)に、スマホで管理される複数サイズのロッカー20個を搭載し、車道を走行する。無人の自動配送ロボットが車道を自動走行する試験は国内初(KCCS調べ)となる。

9月中旬まで行われる上記実証は、NEDO「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」で採択された、北海道石狩市における「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」の取り組みとして実施するものとのことだ。