コロナ禍での経営破綻は全国累計で1917件に

新型コロナウイルス禍が再び深刻化し、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の適用範囲も拡大している。飲食店の休業や酒類提供自粛、人々の外出自粛によるサービス業や小売業への影響は、取引先などにも波及し、夏場の書き入れ時に一層厳しい事業環境を強いている。

コロナ関連の金融支援策は継続するが、業績回復しないままコロナ融資の返済がスタートする企業も出始め、過剰債務の問題も浮上している。息切れや事業継続をあきらめて破綻に至る小規模事業者が目立ち、コロナ関連破綻は今後も増加していく可能性が高まっているという。東京商工リサーチは、8月13日16時時点で「新型コロナ」関連の経営破綻(負債1000万円以上)が1件判明、全国で累計1817件となったことを明らかにした。

負債1000万円未満の小規模倒産100件を含めると、累計で1917件となった。月別では今年2月~4月に3ヶ月連続で最多件数を更新。5月は124件で4ヶ月ぶりに前月を下回ったが、6月は155件で過去最多を記録。7月140件(過去3番目)、8月も同日までに47件が判明している。

都道府県別では、東京都が427件に達し、全体の約4分の1を占め、突出している。以下、大阪府197件、神奈川県92件、愛知県84件、兵庫県75件、福岡県74件、北海道69件と続く――。業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で330件に及ぶ。首都圏などでは休業や時短営業、酒類提供の制限などが続き、飲食業の新型コロナ破綻がさらに増加する可能性が強まっている。

工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が174件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の157件。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテルや旅館の宿泊業が89件、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が88件と、上位を占めているという。