2021年、半導体業界で最高の栄冠に輝いたのは――

半導体は社会インフラである! 先日、シリコンウェハを手に米国大統領がそのように力説した映像・デジタルコンテンツは、インターネット経由で一瞬にして世界を駆け巡った。

日本でSociety5.0を唱えている間に、世界は18ヶ月で集積率が2倍になるという「ムーアの法則」を上回る速度で、様々な物事をより良くするデジタル転換が進み、自動運転技術やAI、サービスロボットなどの商用化または社会実装が行われつつある。

米国サンフランシスコ湾の南部周辺地域を「シリコンバレー」と呼ぶ。そこは20世紀後半から、地球上で最も多くの先端IT(情報技術)企業が集まっているところで、多彩なイノベーションを起こし続けている。コンピュータ科学を修めた人なら誰でも知る上記法則は、ゴードン ムーア氏の経験則――。同氏とともにインテルを創業したロバート N ノイス氏は、「シリコンバレーの主」と尊称され、スティーブ ジョブス氏らの目標となっていた。

ノイス氏を記憶に留めるため、米国半導体工業会(SIA)は1990年に「ロバートN. ノイス賞」を創設。以来毎年、半導体産業に顕著な貢献をしたリーダーを表彰している。そして今年8月12日(現地時間)、NVIDIAの創業者兼CEOであり、アクセラレーテッドコンピューティングの構築における先駆者であるジェンスン フアン氏が、半導体業界最高の名誉である同賞の21年受賞者に選ばれたことを発表した。

11月18日のAwards Dinnerにて同賞が授与される。フアン氏は、1993年にNVIDIAを設立。3Dグラフィックスからスタートした同社を世界有数の半導体メーカーとし、ゲーミング市場を世界最大のエンターテインメント産業に育て上げた。GPUがコンピュータ、ロボット、自動運転車の頭脳として機能する、新たなコンピューティング時代の幕を開いた。「ムーアの法則は終わった」といったことでも有名だ。