コロナ禍でのテレワークを支援する、安全安心なシステムを無償提供

2020年3月12日、WHOのテドロス事務局長がCOVID-19のパンデミックを認め、世界各国に対策強化を求めた。日本では、それまで笛吹けど踊らず状態であった「働き方改革」がこの天変地異により一気に進み、多くの組織でテレワーク/在宅勤務が新しい標準となった。

そんな社会情勢下、国内の多くの人たちのコロナウィルス感染拡大防止と事業継続を支援するため、NTT東日本情報処理推進機構(IPA)は、無償のシンクライアント型VPNを活用した「シン・テレワークシステム」を素早く開発し、同年4月21日より提供――。今年7月末時点で約17万人に利用されている。同システムについて、ブラウザから接続可能とする「HTML5版」を新たに提供し、実証実験期間を来年3月31日まで延長する。

NTT東日本 特殊局、IPA産業サイバーセキュリティセンター サイバー技術研究室は、筑波大学OPENプロジェクト、KADOKAWA Connectedソフトイーサ等の通信やソフトウェアのスペシャリストと連携し、これを極めて短期間で構築・提供開始することに成功した。シン・テレワークシステムは、一般的かつ任意のインターネット回線で利用でき、申込みや契約は一切要らず、個人情報の提供、メールアドレスの登録も不要である(動作環境)。

今回、1年間の実験を通じて寄せられた「自宅のMacやChromebook等から利用したい」といった要望を実現するため、シン・テレワークシステムHTML5版Webクライアントを新開発した。これにより、自宅側端末には一切アプリケーションをインストールすることなく、いつでもどの端末からでも職場PCの画面にアクセスすることができるという。

組織間の連携による取り組みに参加した人たちに感謝している。両者はこれからも、同様の開発手法や取り組みが社会課題の解決とイノベーションに有効であることを見出していく考えだ。