ビッグデータ×AIで配送業務量を予測、配車を適正にする

およそ10年前に65歳以上人口が全人口の21%を占める「超高齢社会」となった。日本は課題先進国といわれていて、少子高齢化に伴う社会保障費の増加及び財源確保が社会的課題の1つとなっている。物流分野では、長距離ドライバーの不足に象徴される労働力不足が深刻化している。

医療分野では、コロナ禍の影響が医療提供体制に大きな負荷を与え、医療機関の対面業務における感染リスクの低減や医療従事者の業務の軽減が課題となっている。さらに気候変動リスクへの対応として、医薬品の配送車両におけるCO2削減への取り組みも重要であり、安心・安全で確実な医薬品流通ネットワークを今後も持続可能な状態にするための課題が数多く存在しているという。

アルフレッサヤマト運輸は、ヘルスケア商品(医療用医薬品、一般用医薬品、医療機器、医療材料、診断薬等)の共同配送スキーム構築に向けた業務提携のもと、その第一弾として、ビッグデータとAIを活用して①顧客毎に日々の配送業務量を予測する「配送業務量予測システム」と②適正な配車を行う「配車計画システム」を開発し、今年8月より、全国展開を視野にアルフレッサの首都圏支店へ導入し始めた。

①では「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析し、顧客毎の配送業務量(注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測する。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的な配車計画の作成が可能となる。その情報を基に配車計画を自動作成する、②では物流や配車に関するノウハウ、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成できる。

配送生産性の20%向上、走行距離およびCO2排出量の25%削減を見込む。上記システムに加え、デジタル機能を活用した事前検品も踏まえた「パッケージ納品」へのシフトで、医療機関における対面作業時間20%減も可能にするという。