共創DX事例!船舶向け燃料受発注をブロックチェーンで一元管理

様々なしくみのデジタル転換(DX)が進みつつある。昨今だが、国内船舶燃料業界においては、電話・FAXによる受発注や、船上で手書きの納品書を作成するなどの商慣習が残っていて、書類の処理、整合性の確認、郵送や保管などに労力と費用をかけている。

旧来のしくみでは文字の読み間違えなどによるヒューマンエラーの改善も求められていたという。豊田通商は、船舶向け燃料や潤滑油の受発注を一元管理する業界初のクラウドサービス「BunkerNote」の構築に着手し、今年6月より同サービスの提供を開始した(ニュースリリース)。そして、TISインテックグループのTISは、このクラウドサービスの構築を支援したことを7月29日に発表した。

「BunkerNote」では、多くの金融機関で実績のあるR3のブロックチェーンプラットフォーム「Corda」を活用している。一般的なブロックチェーン製品は、全てのユーザーにデータの「透明性」が適用されてしまうが、R3 Cordaを利用することで取引当事者間のみで情報共有でき、透明性と同時に「秘匿性」も担保し、ビジネスプライバシーの確保も実現できるという。

豊田通商は、「現行業務をよく理解した上で、実現したいことを先回りした提案だった」「当時は、国内で利用事例の少なかったR3 Cordaの構築経験があり、他のBlockchainネットワークで構築した仕組みとの相互接続性が可能となることなど、知見を活かした提案だった」「現状課題の解決だけでなく、将来構想を見据えた提案だった」TISをパートナーとして採用した。

TISでは開発基盤とナレッジを活用――。受発注~納入計画・指示~請求までの業務をブロックチェーン上で自動的に実行するスマートコントラクトを活用して、上記新サービスを構築した。船上作業で利用されるタブレットアプリとブロックチェーンネットワークとの通信機能も担当したとのことだ。