産業用IoT、軸受診断アプリにて計画的な保守・部品交換へ

省人化や生産性の向上を背景に、生産設備の予知保全へのニーズが高まっている。近年、IoTを活用し、設備や稼働状況を監視するとともに、生産現場でデータをリアルタイムに収集・分析する――そうして、設備の不具合や故障をいち早く知り、計画的にメンテナンスや部品交換を行えるという。

NTNは、Edgecrossコンソーシアムが提供する産業用IoTプラットフォーム「Edgecross®」に対応した軸受診断エッジアプリケーション(BearApp)を開発した。今年7月、BearAppの無料体験版の提供をEdgecrossマーケットプレイスにて始めた。

「速い! : 軸受のリアルタイム診断」、「簡単! : 軸受情報の設定不要」、「わかりやすい! : シンプルな出力」、「インターネット接続不要」といった特徴を備えた。同アプリケーションは、軸受近傍に設置された振動センサのデータを収集し、軸受の異常を診断するソフトウェアである。簡単かつ迅速に診断ができるほか、軸受情報や運転情報などの設定が不要で、他社の軸受の診断も可能とされている。

開発にあたっては、軸受の損傷を検知する技術や損傷の進展をモニタリングする手法など、同社が軸受メーカとして蓄積してきた技術やノウハウに加え、大型風力発電装置向けの状態監視システム「Wind Doctor®」において開発した軸受診断のアルゴリズムを活用しているという。NTNは、4月からの中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase2において、新たな事業領域のひとつとしてサービス・ソリューション事業の強化に取り組んでいる。

これまで展開してきた大型風力発電装置向けの状態監視サービスに加え、この度の開発品をはじめとするAIやIoTなどデジタル技術を活用した商品・サービスの開発、提供を通じて、各産業の生産性の向上に貢献するとともに、事業の拡大を図っていく考えだ。