建設作業DX、スマートグラスとビデオチャットで情報共有&遠隔支援

新型コロナウイルス禍は変異株の出現もあり、ワクチン接種先進国であっても終息の見込みが立っていない。その影響が長引くだろう。日本ではたとえば建設現場において、人の移動制限により専門知識を有する職員が現地での対応ができず、工期遅れとなるリスクが懸念されているという。

NSWは、竹中工務店の建設現場における遠隔支援による業務効率化を目的に、産業用スマートグラス「RealWear(HMT-1)」を活用した検証を昨年11月~今年6月に実施した。両社は、竹中工務店がすでに社内コミュニケーションツールとして活用している「Microsoft Teams」に、NSWが提供する「RealWear」を組み合わせ、事務所と現場間のリアルタイムな情報共有や遠隔支援を行うことで、建設プロジェクトの進捗状況を測った。

スマートグラス装着者が複数の担当者と上記ツール経由で現場の映像を共有。遠隔臨場を効率的に行うしくみを構築した。今回の検証では、日頃より操作に慣れている「Microsoft Teams」を活用したためスムーズに操作できたことに加え、遠隔臨場による作業時間の短縮や移動時間の削減、多くの関係者が参加できることによる手戻り防止、立会の日程調整を臨場検査時間帯のみで行えるなど、プロジェクトにおける生産性向上の効果を確認した。

安全確保の面でも、両手をフリーにしておきたいケースにおいて「RealWear」の優位性が高いことが実証された。今後の実運用では対象業務に掛かる時間について従来比30~50%減を見込んでいて、有事の際の事業継続に貢献するしくみとして期待されているという。

NSWは、引き続き竹中工務店と共に「RealWear」と「Microsoft Teams」を活用した現場作業のデジタル化を推進していき、熟練者の若手技術者支援や建設現場の安全巡回点検など、適用業務範囲の拡大に向け検証を進めていく考えだ。