IoTで熱中症対策、暑さ指数センサーも用いて危険度を見える化

東京オリンピックに出場している世界トップクラスのテニス選手が赤ら顔でぐったりし、海外メディアの記者らが「クレイジー」だという。それほどに今の日本は暑い、暑すぎる。屋外で仕事をしている人たちにとって、この暑さは過酷であり、環境省は熱中症予防情報サイトを運営している。

日常生活、運動、作業者に関する指針が「暑さ指数(WBGT)」とともに同サイトで解説されている。7月26日、IIJは、省電力・長距離が特徴の無線通信技術を利用したIoTのしくみ「IIJ LoRaWAN®ソリューション」において、WBGTを計測するセンサーの提供を開始した。顧客は同センサーとIIJの通信およびクラウドサービスを組み合わせたしくみを利用することで、暑さ指数を可視化し熱中症リスクを通知するIoTシステムを約2週間で構築できる。

広域でのIoTデータ収集に最適なLoRaWAN®を使うことにより、工場や建設現場など広い場所でも低コストで熱中症対策を実現するという。同社が今回提供するWBGTセンサー(フジクラ製)は、輻射熱を測定する黒球温度センサーにより、正確なWBGT測定(「JIS B 7922」クラス2準拠)を達成している。また、色素増感太陽電池を搭載していて、一定の照度で自立電源駆動が可能――。

データ伝送はLoRaWAN®無線通信(免許不要)で行うため、電源や通信の配線工事が要らず、屋内屋外問わず、計測したい場所に簡単に設置できる。計測データはLoRaWAN®ゲートウェイに集められ、そこからIIJモバイルサービスの閉域ネットワーク経由でIIJのクラウドに保管される。

PCやスマホから専用アプリで暑さ指数を遠隔監視できる。今回のしくみは、建設現場、工場プラント、学校などにおいて、計測値が設定した閾値を超えて熱中症リスクが高まった場合、管理者や現場担当者に自動でメール通知でき、熱中症予防に役立てられるという。