情報通信
山岳トンネル施工管理DX、坑内・切羽にリモートで臨場する
トンネル全体の坑内状況を効率的に可視化する方法が求められている。現場ではまた、トンネル掘削時に切羽の地質を評価する、目視主体の切羽観察を実施していて、精度や定量化、安全性が課題となっている。一般的には、所定の頻度で受・発注者双方がそれを行いトンネルの支保パターンを選定する、"岩判定"にあたって作業調整による業務ロスが発生する場合があり、両者間のより効率的な地質情報の共有も課題になっているという。
安藤ハザマ、エム・ソフト、NSW、山口大学中川名誉教授、筑波大学で構成する山岳トンネル遠隔臨場支援システム開発コンソーシアムは、山岳トンネル坑内および切羽における受・発注者の接触機会の低減や施工管理業務の省力化を目的として、クラウド環境を活用した「遠隔臨場支援システム」を開発。昨年11月から現場(玉島笠岡道路六条院トンネル)で試行し、生産性向上に効果があることを確認した。
内閣府PRISMの枠組みを活用した国交省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に選定――。上記結果から、5月に総合評価Bの評定を得た。遠隔臨場支援システムは「トンネル全線の可視化システム」(安藤ハザマ製「トンネルリモートビュー」利用)と「切羽地質情報取得システム」(19年12月リリース)で構成される。
新システムの改良を進め、当社の山岳トンネル現場に適用して施工管理のさらなる効率化に取り組んでいくという。安藤ハザマは既設トンネルや導水路などの維持管理工事における点検・調査や災害時の状況確認への活用も検討していく。