近年は、ITを活用して複数の元素の組み合せや構造から特性を導き性能や耐久性に優れた材料を創出する素材・材料研究「マテリアルズ・インフォマティクス」に注目が集まっているという。CTCは今月20日、材料解析シミュレーションと人工知能(AI)を組み合わせた「材料開発プラットフォーム」の提供をはじめた。同プラットフォームは、環境負荷の低い素材や信頼性・安全性の高い素材の開発を効率的に支援するサービスだ。
長年の提供実績のある材料解析シミュレーション(計算科学データ)と機械学習・ニューラルネットワークを中心としたAI技術を組み合わせて、材料物性の予測モデル(学習モデル)を構築し、効率的な材料開発を実現する――。ナノスケール(原子・分子並みの大きさ)での解析シミュレーションを行うクラウドサービスExabyte.ioの計算科学データから、材料の分子構造や特性をAIが学習することで、求められる物性を持つ素材の候補を割り出す。
これにより、従来数か月かかっていた物性探索も、構築した予測モデルに入力することで数秒で物性予測を終えることができ、素材開発の期間短縮を図れるという。同社は、今回の「材料開発プラットフォーム」について、電池材料や半導体の材料開発を含む製造業、医療分野、大学及び国の研究機関などを中心に展開し、3年間で100社への提供を目指す。
今後も、モデリングや予測の機能について性能のさらなる向上を図るとともに、マテリアルズ・インフォマティクスを活用した材料開発を通して、社会課題の解決に貢献していく構えだ。