自在にプログラムできるAIベースの産業用スマートカメラ登場

多様な産業・社会インフラ分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む。近年、製造現場では「業務効率化」と「コスト削減」を目的とした生産設備のオートメーション化や製造過程の品質検査スピードが重要視され、データ処理能力の高い産業用カメラ導入が検討されるようになってきた――

特にエッジコンピューティングでの画像処理において、非常に短い時間で大量のデータを処理する要件が高まっているという。キヤノンITSは今月20日、NVIDIA組込みシステムを搭載したドイツBaumer製AIスマートカメラ(AXシリーズ)を発売した。新製品は、AIコアとグラフィックプロセッサが実装されているNVIDIA Jetson NanoまたはXavier NXモジュールにより、AIベースのシステムを柔軟かつ自由にプログラム可能とされている。

Baumer AXシリーズは、AIを実装するためのシステム設計を簡素化できる信頼性の高いオールインワン製品。Linuxの採用により、プログラミング言語を自由に選択でき、インライン検査や生産モニタリング、ライフサイエンスなどのさまざまな分野で、画像処理ライブラリやAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を活用できる。画像転送は、カメラ内部のCMOSセンサからJetsonへ直接行われるため、高速かつ安定している。

画像処理用のボードやチップなどを追加する必要がなく、また、オプションのチューブシステムは非常に堅牢で、IP67保護等級対応のため、過酷な環境条件に耐えられるという。キヤノンITSは、30年以上にわたり各種製品を組み合わせた画像処理ソリューションをさまざまな製造現場に提供し、顧客の抱える課題を解決してきた。

モノづくり企業としての生い立ちを生かし、長年の研究開発で培った先端技術を強みに、これからも顧客に最適なしくみをワンストップで提供していく構えだ。