照明灯など道路の附属物をIoTモニタリング、点検業務をスマートに

支柱埋め込み部の腐食を要因とした道路照明灯などの倒壊事象が国内で発生している。国交省管理の門型以外の標識等は10年ごとの詳細点検が目安とされていて、その県が管理する道路附属物も10年に1回、外観目視、近接目視および非破壊検査が行われている。

さらに週1回の日常点検パトロールなども実施されているが、各種点検において確認できない亀裂・腐食等が存在する場合がある。支柱の地表面から下側の点検には、路面掘削やそのための通行規制が必要となり、労力・時間・費用などがかかるといった課題もあるという。広島県において、加藤組と、NECSMKかがつうおよび荒谷建設コンサルタントは今月より、道路附属物の状態を可視化する点検業務支援システムの実証実験を行う。

亀裂・腐食等による道路照明灯の倒壊を防止するため、NECがスマート街路灯の開発・提供を通じて培ってきたセンサー技術と無線ネットワーク技術を活用し、道路照明灯の状態データを自動的かつ継続的に収集・可視化する手法を評価・検証する。 IoTセンサーや無線通信機を搭載したスマート自動点滅器を新たに開発し、福山市内の道路照明灯20基を対象に既設の自動点滅器をスマート自動点滅器へと置き換える。

スマート自動点滅器に搭載した、支柱傾倒を検知する加速度センサー、風速センサー、および水分を検知する水センサーのデータを道路巡回パトロールカーが巡回時に無線通信によって自動で収集する。収集データは、クラウドで一元管理し、揺れや傾き、風の状況、雨や霧などの水分、道路照明灯の状態をきめ細かく可視化する。本実証は、同県委託の「道路附属物(道路照明灯)自己点検システム構築業務」に基づき実施するものだという。

点検業務の負荷軽減と、道路利用者の安全確保を目指す。5社は、いずれ収集・蓄積したデータを用いたAIによる分析を行い、道路附属物の異常を予測するシステムを開発していく考えだ。