大学キャンパス内でスタンドアロン5Gの安定稼働に成功

産業や医療、社会のしくみを飛躍的に発展進化させる。第5世代移動通信のなかでもスタンドアロン(SA)方式のそれは、無線アクセスネットワーク(RAN)からコアネットワークまでを5Gの通信技術に基づき構成したモバイルネットワークであり、真の5Gと呼べるものである。

5G SA方式では、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続といった5Gの特徴を最大限に活かせると期待されている。ネットワークに対する高度な制御により、エンドツーエンド(E2E)のネットワークスライシングを実現することで、幅広いネットワークの用途に合わせて最適なサービスの提供も可能になるという。楽天モバイルは今月4日、東京工業大学の協力を受けて、5G SAにおけるデータ通信の実証に成功した。

東工大大岡山キャンパスにおいて、5G SA対応端末を用いて5G SAネットワークのデータ通信テストを行い、安定した5G SAの稼働を確認した。同社は先月24日より商用5Gネットワークの一部に5G SA機能を導入していて、今回得られた結果を5G SAネットワークの品質向上や、商用サービスの展開に向けた準備に活用していく。

5G SAで、ネットワークスライシングやエッジコンピューティングなど、5Gで本格的に実現する様々な機能の動作検証を順次行う予定である。同社は東工大とともに、5Gネットワークを活用する様々な実証実験に向けた取り組みを進めていて(21年4月ニュースリリース)、これからも社会における5G活用に向け、同大学と技術開発を行っていくという。

楽天モバイルの5G SAは、完全にクラウドネイティブなモバイルネットワークとして「Rakuten Communications Platform(RCP)」上で稼働している。コンテナやマイクロサービスが導入され、RANからコアネットワークまでE2EのCNF(クラウドネイティブ)として機能している。