ステアリングのタッチを4極ゾーン検知、ADASに展開する

障害物回避等のADAS(先進運転支援システム)が進化し、CASE(コネクテッド、自律、シェア、電動) 技術の革新が加速している。昨今、高速道路走行時など特定条件下でシステムが全ての運転タスクを実行する、高度な自動運転支援システムを備えた車が販売されている。

自動運転支援と手動運転の切り替えを安全かつスムーズに行うためには、ドライバーの運転状態を検知・判断する必要がある。その一つ、ステアリングホイール掌握状態を判断するハンズオフ検知機能は、その他複数の運転状態判断システムと連携することで、安全な運転主体の切り替えを可能とする。自動運転支援システムの高度化に伴う安全機能の搭載は、国際規格R79ガイドライン(参考:国交省PDF)に定められ、法制化が進められている。

自動運転支援と手動運転の切り替えタイミングの判断においては、安全を担保するために走行状態とドライバーの運転姿勢を常に検知する必要がある。自動運転支援の継続が不適切と判断された場合、ドライバーへ速やかに自動運転支援中止を告知、即座に手動操作に戻ることを促す。CASE時代の安全担保では、一層高精度かつ多様なステアリングの掌握検知が求められるという。

アルプスアルパインは、業界初となる、4極・マルチゾーン仕様の専用静電容量センサでステアリングホイールの握り方を細かく判別する、ハンズオフ検知用ECU(電子制御ユニット)を開発した。独自の静電制御ASIC、アプリごとの最適なアルゴリズム提供、自己故障診断機能(ISO26262適合)といった特徴も備えており、ADASへタッチ合否を展開する、同ECUは今春より量産中で、順次搭載車種の拡大が計画されている。

同社は、日本でも自動運転社会の具現化が進むなか(参照:官邸PDF)、自動運転支援機能の向上に伴い次世代モデル向けにも開発を始動していて、人々の安全かつ快適な移動に貢献していく構えだ。