物流DX、既存システムも活かして倉庫管理を自動化・効率化する

荷物の保管や出庫にかかわる業務を人手で管理している。物流倉庫では、荷物の取り間違えやそれによる戻し費用の発生といったことが問題となるだけでなく、在庫数量の正確な把握、棚や倉庫内の空きスペースの有効活用が難しく、人員不足による配送遅延の解消や人件費の抑制などが進まない。

在庫管理ソフトを使用していても、解決すべき課題が多い。Eコマースの急拡大とともに物流量が増大している近年、物流倉庫業界では、マニュアル作業を削減し、既存の倉庫管理システムの改修コストをかけずに、効果的な運用へのシフトが求められているという。TEDは今月7日、TEDアメリカが開発した物流倉庫自動化・効率化支援システム「HAKO-FLO」による、日本国内の顧客倉庫における物流管理サービスの実証実験を開始した。

「RFID」箱の情報を端末で素早く計測、受入れや棚卸業務を効率化。「LIDAR」センサー内蔵タブレットで、入荷する箱の大きさを自動計測。「Eye」 在庫数、箱の位置スペースをAIで自動検知し、作業者に通知。「Tracking」箱の状態、場所を受け入れから出荷まで追跡(現在開発中)。「Cloud」箱に関するあらゆるデータを格納・共有し、見える化(現在開発中)――といった特徴を備えている。

同システムの実証実験では、ユーザーの既存システムで発生する入荷時や出庫時の「計測」「検品」「在庫管理」「棚卸」、インボイスや帳票ラベルなどの「書類作成」といった5業務を、クラウドやオンプレミスで提供する専用のソフトウェアで管理する。これにより、人手のかかるマニュアル作業を見直し、自動化することで適切な人員配置につなげる。

既存システムとの連携により、新たな物流管理サービスの一部だけでも利用できるようにし、倉庫作業に合わせ最適な形に組み合わせた運用を可能にする。そうして、倉庫業務におけるさまざまな課題を解決し、効率化を実現するという。