製造DX、設計モジュール化技法ベースの情報管理テンプレートを活用

受注後に自社で設計作業を行う。個別受注型製造業においては慢性的な設計人材・後継者不足が生じていて、営業同行や都度図作成の案件対応、出図遅れ・短納期・仕様変更による特急手配の頻発など、カスタム設計部門の負荷はとても大きい。

営業~設計~生産の一連プロセスの中で情報が分断されていることも多く、業務改革や自動化による効率化が求められている。課題を解決するひとつが「設計モジュール化技法」であり、これは多様化・多品種化する製品バリエーションに対し、既存図面をモジュール化して、モジュールの組み合わせによって製品を実現し、受注仕様の決定から設計・出図、生産計画・調達計画にわたるビジネスプロセスを効率よく運営するための業務変革技法だという。

NDESは、産業機械業界を中心とした個別受注型製造業向け設計情報管理ソリューション「Delight-Space™」を今月より提供する。同ソリューションは、標準化設計を起点とする部品表(BOM)の活用と連携により、個別受注型製造業のカスタム設計業務のデジタル化を支援し、多様な顧客ニーズに対する対応力とリードタイムの短縮の両立に貢献する。

それは設計モジュール化技法の考え方に基づく情報管理テンプレートで、主に「標準設計管理」「見積受注管理」「受注設計管理」の業務機能から構成されている。たとえば標準設計管理機能は設計ノウハウの形式知化と共有化を支援し、見積受注管理機能で瞬時に誤りなく適合モジュールを抽出して、設計部品表に翻訳できる。これらにより、ユーザーは、設計者を介在しなくても見積回答や設計部品表の作成を迅速に行える。

標準仕様への誘導、カスタム設計の効率化、出図の早期化、設計業務の標準化推進および属人化の解消に寄与する。Delight-Spaceで作成した製番BOMを生産管理システムへ連携すると、営業・設計・生産の一気通貫業務の実現を図ることも可能になるという。