首都圏に100メガワットの主力データセンターを建設する

世界第3位の経済大国、日本は米国西海岸とアジア太平洋地域を結ぶ、情報技術通信網すなわちインターネットの要衝にある。なかでも首都圏は、海底光ファイバーケーブルの揚陸地点を多数抱えていて、中国を除けば、東京はアジアで最大のデータセンター市場でもある。

にもかかわらず国内にハイパースケールクラウドのプラットフォームがない。米国や中国の大手クラウド事業者との間で理想的な競争環境を提供している。特にグローバルなハイパースケーラーの参入と拡大において、まだ成長の初期段階にあるという。独立系調査・コンサルティング会社Structure Researchによると、首都圏のハイパースケールコロケーション市場は'21年~25年までCAGR25.1%で成長し、25年には16億米ドルに達する――。

そこで、シンガポールに本拠を置くデータセンター企業プリンストン・デジタル・グループ(PDG)は6月29日、総額10億米ドルを投じ、東京圏で最大級のハイパースケール施設を建設するとした。同社は4年前に設立され、日本を5番目の参入市場としている。その皮切りとして、さいたま市にておこなう今回の投資により、同社はアジア全域で600MWのポートフォリオを構築する計画の大きな節目を迎える。

新キャンパスは2フェーズ(各48.5MW)で約100MWの基幹IT能力を持つこととなる。PDGさいたまキャンパスは、東京都心から北へ30kmに位置し、敷地面積は33,047平米に及ぶ。データセンターは、世界で最もダイナミックなクラウド市場の1つである日本の主要なハイパースケーラー向けにサービスを提供するように設計されている。

同社はさいたまで既に土地と電力を確保していて、今年後半に着工する予定である。上記施設は、最新のハイパースケール設計と基準をもとに構築され、比類のないスケーラビリティ、コネクティビティ、そして信頼性を実現するという。