医療業務DX、X線撮影の位置決め等をAIでサポート

整形医療におけるX線撮影――部位の左右間違いは、単純でありながら医療安全面のリスクとなる。間違いが判明すれば再撮影される。また、膝関節側面の画像診断には、正確に真横から撮影した画像が必要とされるが、そこは撮影時のポジションにずれが生じやすい部位でもあるという。

X線撮影による被ばく線量を低減するため、「画像診断ワークステーション CS-7」に胸部撮影サポート機能を備え、再撮影の削減に寄与してきた。コニカミノルタは今回、同ワークステーションに、整形撮影向けのポジショニング判定支援機能「Positioning i」を搭載した。

再撮影原因に多いとされる関節の「左右間違い」と「ポジショニングのずれ」を画像で検知し、再撮影の要否判断をサポートすることで、撮影者の業務効率化、撮影技術向上、患者の被ばく線量低減に貢献することを目指した。開発段階で、再撮影画像を含む大量かつ多種の臨床画像をディープラーニングしたAIを設計に用い、これまで培ってきた画像に関する知見をもとにした解析技術を活用している。

「Positioning i」では、膝関節(対応部位は順次拡大予定)について周囲の骨の位置関係から左右を判定し、撮影オーダーと異なる向きを画像から検知した際には、注意を促すテキストとマークが表示される。撮影後即座にずれ量と許容度にかかるABC判定を表示するとともに、再撮影の検討が必要とされる基準値を超えたC判定ではアラートが出る。これにより、不必要な再撮影や患者の呼び戻しなどを回避できる。

同機能の情報を、被ばく線量管理システム「FINO.XManage」に連携させることで、再撮影の削減に向けた運用の改善や、撮影技術の向上につながる教育支援が可能。再撮影情報についても定量的な管理が行えるという。同社は、再撮影の原因ごとに分類したグラフ作成や、再撮影対象画像とともにその原因を分析できる環境を提供する。