ビルと周辺のローカル5G化に向けて、仮想専用ネットワークを実証

コロナ禍の終息が見通せない。いま、日本では、どこにいても作業効率と情報セキュリティレベルを維持したまま業務を遂行できる安全・快適でコストパフォーマンスに優れた業務ネットワークが求められているという。

パナソニックは、森ビルおよびイーヒルズと共同で、5Gコアおよび免許不要のプライベート4G LTE規格「sXGP」(参考:総務省PDF)を活用した構内電話網と公衆LTE網による"仮想専用ネットワーク"を構築し、ビルテナント企業や施設、さらに敷地外環境での新たなサービス開発を目的とした実証実験を今月23日に開始した。

かつて多用されたPHSの役割を高信頼な企業内IoTネットワークとして置き換えるものになる。これにより、スマホやPC、IoT機器がセキュア接続でき、構内音声×情報IP網の統合ネットワークとして機能するようになる。よりインタラクティブなCPS環境、ビルの高度なオートメーションなど5Gが得意とするアプリに対してもインフラ投資の継続性が担保できるよう、自社開発5Gコアネットワーク上でsXGP基地局を稼働させている。

仮想専用ネットワークでは、都心オフィスやサテライトオフィス、シェアオフィスなどを利用するビルテナント企業のユーザーが、働く場所を意識することなく、VPN接続設定など特別な操作を意識することも無く、いつでも何処でも安全に各テナント企業のイントラネットに直接接続できるようになる。5Gコアに接続したsXGP基地局をビルのインフラとして整備し、5Gの機能であるスライシングを活用することで構内電話網の用途がさらに拡大する。

たとえばビル運営管理システムのための通信回線として利用することもできるという。3社は、ビル敷地内での自動運転サポートも視野にいれていて、sXGPでの効果と課題を抽出した後に、基地局の一部を免許局であるローカル5G基地局へと置き換え、高度化を図る実証も行う構えだ。