アンチマネーロンダリングの新たなしくみを国内証券会社に初導入

その証券会社では、社会的責任と、国内外ステークホルダーからの要請に鑑み、AML(アンチマネーロンダリング)/CFT(テロ資金供与防止)策として、取引監視やIPモニタリングを実施している。けれども昨今の金融犯罪の拡大、特にインターネット系の脅威増に加え――

国内外のFATF(金融活動作業部会:ref.金融庁)審査の傾向から、取引監視業務の更なる高度化が必要と考え、国際基準を満たしつつ、個別の高度化要件にも柔軟に対応できるAML/CFTシステムの取引モニタリング機能の採用を決定したという。三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの受注を、DTSは今月18日に発表した。

同社ではアンチマネーロンダリングの国際基準に準拠し、関連業務を幅広くサポートするパッケージシステム「AMLion」を提供している。今回採用されたAMLionの「取引モニタリング機能(TMS)」は、既に複数の金融機関に導入されていて、FATF審査対策ソリューションとしての実績がある。国内証券会社におけるAMLionの採用は同顧客が初となる、システムは22年1月に本番稼働する予定とのこと。

疑わしい取引を検知するためのシナリオ作成・変更を柔軟に行える。同システムは、IPアドレスに含まれる情報をもとに国外からの不審なアクセスや秘匿されたアドレス等を検知する。膨大なネット取引を効率的にモニタリングし、新たな脅威の増加に対応。高速データ処理によるアラート検知シミュレーション機能では、シナリオの有効性を事前検証できる。AML部門が高精度のシナリオを設定し、低い業務負荷でリスク対応可能になるという。

DTSは今後、国際資格をもつ公認AMLスペシャリストが導入先の業態に応じたシナリオを作成し、保険・カード・資金移動業界での販売拡大を図る。AML/CFT領域にとどまらず、暗号資産交換所等の売買審査管理システムとしての提供も行っていく構えだ。