"空の産業革命"を北海道は稚内からおこす

小型無人機ドローンはいま、空撮、農薬散布、測量、インフラ点検等で広く活用されている。離島や山間部、過疎地域等における荷物配送、さらには都市部での物流等、これから多様な産業分野の幅広い用途に利用され、多くの人がその利便性を享受する社会に役立てられると期待されている。

空の産業革命」に向けて、政府は22年度「無人航空機の有人地帯での目視外飛行(レベル4) の実現」を目標に掲げている。この目標を達成するため、NEDOによるドローン・ロボットの開発促進や社会実装するためのシステム構築及び飛行試験が17年より実施されている。現在、同機構では「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」が進められている。

今月17日、BIRD INITIATIVEは、パーソルプロセス&テクノロジーが受託した上記NEDOプロジェクトの「地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」に係る公募に、NEC稚内市ANAホールディングスDigital北海道研究会FRSコーポレーションHELICAM国立情報学研究所アインホールディングス東京海上日動と共同で提案し、採択されたことを発表した。

今回、複数のドローンが同じ空域で安全かつ効率的に飛行できるようにするドローン運航管理システム(UTM)の実証実験を、北海道稚内市における地域課題――"医師の偏在、医療アクセスの悪化や過疎地における処方箋医薬品の配送""定置網内の魚がアザラシなどに食べられてしまう被害や、ホタテやアワビなどが密漁される被害"――解決に向けたユースケースを対象に、運航リスク管理の検討も含めて実施する。

21年8月~9月に、約1週間の実証実験を2回行う。地域実証に参画する企業は、有人地帯でのレベル4実現に向けたUTM実用化に取り組むとともに、ドローンを用いた社会ソリューション・事業の確立に貢献していくという。