高級品・ブランド品のイメージを維持したまま近接無線通信を実現する

スマートフォンが普及した。現在、商品管理や真贋判定などに使用されてきたRFIDタグやコードラベル(QRコード:デンソーウェーブ登録商標)だけでなく、消費の最前線においては、NFC(近距離無線通信:ISO規定)タグを用いて顧客に商品体験を提供する需要が高まりつつある。

RFIDタグ・コードラベル等は、それ自体に高意匠性を付与されることが少ないうえ、商品のデザインを損なわない位置に貼付されることが一般的であった。しかしNFCタグにおいては、より消費者がアクセスしやすい配置が検討されると同時に、商品デザイン性の維持も重要となり、NFCラベル自体に、より一層の意匠性が求められているという。

凸版印刷は、高級感を表現できる金属調加飾を施しながらもNFCタグに求められる通信性能も維持した、高意匠NFCラベルを開発した。同社の新製品――金属調装飾タイプと金属調鏡面タイプは、パッケージのデザイン性が重視される高級酒や高級化粧品などにおいて、NFCラベル貼付によるデザイン棄損の心配なしに、NFCを活用した製品のID管理や、商品情報の提供、真贋判定、デジタルプロモーションなど顧客サービスの提供を可能とする。

高級紙器の高意匠デザイン表現に用いられる様々な加飾印刷技術を複合・活用し、高級感のあるラベル印刷表現を実現。「金属調装飾タイプ」では箔押しのデザイン設計、「金属調鏡面タイプ」では金属蒸着材料をそれぞれ工夫することで、NFCタグの通信性能の保持を達成した。新製品2種では、アンテナ設計の技術的知見を活かし、金属調加飾を施していてもNFCタグとしての通信性能を十分に確保できる製品設計を行っているという。

同社は高意匠シリーズとして、異なる技術を用いた新たな製品展開を計画していて、今回の製品は「AIPIA Asia Summit 2021」と「Luxe Pack Shanghai 2021」にて披露する。