まずはコールセンターのDX、NLPを活用して迅速対応や品質改善へ

人間が使う言語を機械学習および処理する。Natural Language Processing(NLP)すなわち自然言語処理は近年、人工知能(AI)の進化とともに発展著しい。

今月17日、リコーは、顧客企業から許諾を得て預かった顧客固有の情報資産(文書や映像、画像、音声などの各種データ)を自然言語処理AIで分析し、業務の効率化や新たな価値の創造を支援する新サービス「仕事のAI」の提供を開始した。その第1弾として7月中旬、食品業界の大手・中堅企業向けに「RICOH 品質分析サービス Standard for 食品業」を発売する。

コールセンターやヘルプデスクに集まる膨大な問い合わせ情報(VOC:顧客の声)を自然言語処理AIで分析し、重要度順に表示できるため、迅速な顧客対応や品質改善によるリスク低減などに貢献するという。「仕事のAI」は、国内販売会社リコージャパンがニューノーマル環境下での業務効率化や生産性向上を実現するソリューション商品群として提供する「RICOH Digital Processing Service」のラインアップとなる。

その食品業界版では、利用者は分類ごとに確認するだけで、重要度の高い案件をチェックできる。分析工程の自動化・省力化により、業務効率の大幅アップが図れ、抽出モレや分類ミスによる重大事案/予兆の見落としリスクの低減、属人性の解消にも寄与する。顧客データを用いた実証実験では、毎月数万件のVOCについて、AIが文脈認識・意味理解して分類し、重要度を判断するなど、ベテラン従業員と同等以上の高精度を発揮しているという。

今後はさまざまな業種業務に対応したサービスを追加するとともに、大手・中堅から中小企業まで、幅広いユーザー向けにラインアップを拡充していくことで、顧客が取り組むオフィスないし現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援していく考えだ。