学習・コンペ・マッチング、3つのサービスでAI分野を切り開く

産業や社会のしくみをより良い方向に転換していく情報技術(IT)のなかでも特に大きな伸びが予測される。AIの開発では米・中がしのぎを削っていて、日本はというと、圧倒的に人材が不足している。

経産省資料には、"IT人材の不足は、現状(19年)約17万人から2030年には約79万人に拡大すると予測され、今後ますます深刻化。――AI等を使いこなして第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手となる高度IT人材の育成が急務"とあり、文科省資料には、"デジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の基礎などの必要な力を全ての国民が育み、あらゆる分野で人材が活躍"とある。

コロナ禍で各種デジタル化の遅れが露呈した――。この国でAIの開発から運営、AI人材の就職・転職支援、人材育成や研修サービスを提供しているSIGNATEは、令和2年度「情報化促進貢献個人等表彰」経済産業大臣賞に輝いた。「日本のAI人材の育成に大きな貢献を果たした」と評価された同社のプラットフォーム「SIGNATE」には、一般企業や研究機関に勤める社会人から大学生まで、およそ40,000人が登録している。

AI/データ分析スキルを学ぶ課題解決型AI学習サービス『SIGNATE Quest』、リアルな産業課題に、持ちうるスキルで挑戦するAIコンペサービス『SIGNATE Competition』、スキルを武器にキャリアアップを目指す登録者と、求めるAI開発の実力やスキルを明確にして直接アプローチする採用者とをマッチングする国内唯一のスカウティングサービス『SIGNATE Delta』が実装されている。

コンペ領域では、社内の人材発掘に成功(JR西日本)、社内外との新しいリレーション構築に寄与(JT)、「先進的な引越し会社」という広報効果を得た(アップル)、「データ分析」を切り口にしたプロモーション活用(JPX)といった事例を有するという。