車載器とスマホからのデータにより、各人にぴったりの店をリコメンド

生活者は外出先での消費活動のみならず、目的地までの楽しい移動や体験も求めている。現在しかし、独立アプリやWebサイトで情報検索、予約、決済などの機能提供がされているため――

「目的地は出かける前にWebで調べ、移動の途中で立ち寄る飲食店は個別のアプリで予約する」など、生活者の体験は断絶している。今後、コネクティッドや次世代コックピット、自動運転などのテクノロジーの進展に伴い、車内で触れる情報が増えていくことから、車内外でのシームレスな体験を構築することで、生活者にとって価値のある移動体験を提供することが可能になるという。

デンソーNTTデータは、車流データと人流データを活用した移動体験変革の実証実験を昨年6月~今年3月に実施。移動体験・サービスの質向上、生活者の行動変容にともなう見込み客の送客支援の提供を実現するために、車載器から収集した運転特性や運転状況などのデータと、スマホのGPSやBeacon反応ログなどから収集したデータとから、個人の特性を分析し、"運転状況の推定"と"個人の好みを把握"した店舗情報のレコメンドを行った。

3ヶ月の車両走行検証期間中に実施した2,217施設のレコメンド内容に対するモニターの評価を分析したところ、嗜好パターンや運転状況などユーザーの行動理解に基づいたレコメンドであるほど評価が高いといった結果が得られた。これにより、車流データと人流データを組み合わせることによる移動体験への付加価値創出が可能であることが技術的に確認できた。

「ドライバー体験の向上による顧客の取り込み」「自動車をメディアとした新たな収入源の創出」「自動車内でのサービス利用という新たなマーケットへの参入」「利用者の行動変容による顧客の取り込み」が期待できるという。両社は協業して、モビリティ事業者やサービス事業者とのビジネス検証等を行い、新たなビジネスの提案を推進していく構えだ。