車載ネットワーク×レーダー、2つのプロセッサでクルマに革新を

あらゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)の核である。半導体チップは、その性能、サイズおよび集積度、シリコンウエハ1枚当たりの生産コストなどがナノメータ(nm:10億分の1メートル)単位で表される"回路線幅"に左右される。線幅が狭ければ狭いほど、それらはすべて向上する。

車載マイコンで世界をリードするNXPTSMCは、TSMCの先進16nm FinFETプロセス技術によりNXPのS32G2車載ネットワークプロセッサとS32R294レーダープロセッサの量産を開始した。これは、自動車が強力なコンピューティングプラットフォームへと進化し続ける中で、S32ファミリがより高度なプロセスノードへと移行していくことを意味しているという。

同ファミリの技術革新は、車載アーキテクチャの簡素化とコネクテッド、およびコンフィギュラブルな近未来のクルマの提供を可能にする。S32G2は運転状況で料率が変わる保険や車両の状態管理など、データ主導型サービスの可能性を拓くセキュアなクラウド接続やOTAアップデートのためのサービス指向ゲートウェイを可能にする。ドメイン/ゾーン・コントローラや、先進運転支援/自動運転システムの高性能ASIL Dセーフティプロセッサとしても機能する。

16nm技術への移行により、複数デバイスを1つに統合でき、プロセッサのフットプリントを低減する強力なSoCになる。一方、S32R294は、NCAP向けのスケーラブルなソリューション、先進コーナーレーダー、長距離フロントレーダー、同時死角検知、車線変更支援、エレベーションセンシングなど、先進マルチモードユースケースの実現をめざす自動車メーカーが必要とする高い性能を提供する。

NXPの車載プロセス・ロードマップに対するTSMCの広範なサポートにより、先進FinFETを初搭載したS32ファミリは、5nmプロセスへの道が開けるという。