拡張現実を用いた3Dマニュアル、システム連携で現場作業を効率化」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、各種現場作業の常識が変わった。一ヶ所に複数人が集ってする作業は感染リスクがあるため、新たな作業体制を確立する、リモートでの現地作業への参与、指示・監督のほか、作業前トレーニングを充実させる必要性が高まっているという。

NTTデータは、昨年10月に日本で初めてパートナー契約を結んだ米国Scope ARのプラットフォーム「WorkLink」を活用したAR(拡張現実)作業支援サービスを5月28日に提供開始した。WorkLinkは、ARによって実現された3Dマニュアル(立体的に再現した作業対象機器や操作手順を手元のカメラ映像画面に重ねて表示)を用いた直感的な作業および作業前トレーニングとともに、遠隔地からの有識者による作業支援を可能とする。

対象機器の3Dモデルを活用した臨場感のあるトレーニングを実現し、ARアノテーションを用いたより直感的な作業指示の併用や、作業履歴の記録なども行える。WorkLinkの販売とあわせて、当該マニュアルを高品質化したり大量作成時の作業時間を大幅に削減したりする「3Dマニュアル作成支援サービス」や、他システムとの連携による円滑な現場作業/フィールド情報管理等をサポートする「インテグレーションサービス」も提供する。

独自の文書読解AIソリューション「LITRON™」を活用したWorkLink用3Dマニュアル作成の自動化や、ServiceNowなどのシステムと連携させることで現場作業の進捗管理の一元化を達成する。大量の3Dマニュアルの作成時間を最大90%削減した実証結果をもって、顧客の現場作業のさらなる負荷軽減に貢献する。

同社は、上記作業支援サービスを製造業やユーティリティー業、流通業など、現場での作業が必要となるさまざまな分野へ販売。2024年度末までに100社以上へ納入することを目標にしている。