世界初!自律型遅延保証と大規模IoT端末収容の両立を実証

集約基地局とリモート局間の信号伝送路モバイルフロントホール(MFH)、4G LTEのそれはP2P光ファイバで構成されている。5G以降、パケット化されたMFHトラヒックも、有線/Wi-Fi等のサービスを収めた"広域アクセスネットワーク"へ、ネットワーク装置により効率的に収容できる。

MFHトラヒックを混在収容することで、さらなる効率化が期待される。当該ネットワークの実現においては「MFHトラヒックは要求遅延が厳しいため、遅延保証が必須」「IoTトラヒックは今後産業界への普及が本格化し、接続台数増加が見込まれる」といった課題があり、従来の遅延保証技術では――

保証用帯域をネットワークオペレータが、伝送遅延差等を考慮しつつ各ネットワーク装置に"事前"設定しなければならない。非常に煩雑なうえ、その帯域が所要量以上であればIoTトラヒックの収容効率が低下してしまう。ゆえに今後の広域アクセスネットワークでは、MFHに対して自動的に遅延保証しながらより多くのIoT端末を高効率に収容する技術が必要だという。

NTTは、総務省推進「電波資源拡大のための研究開発」における『IoT機器増大に対応した有無線最適制御型電波有効利用基盤技術の研究開発』の中で、富士通の協力のもと、オペレータ操作なく自律的に低遅延保証と高効率収容を実現するネットワーク技術を開発。同技術を用いた実証実験により、5Gモバイルフロントホールの要求遅延を満たしながら、1,000台に及ぶ大規模なIoT端末を収容することに世界で初めて成功した。

トラヒックの周期性を見て、自律的に遅延保証をしながら、保証帯域をトラヒック量に合わせて必要最小限とすることで、遅延保証と高効率収容を達成する。これらは装置側で自動的に行われるため、オペレータ側の設定を要さないという。今回の成果は、国際会議ECOC2020のポストデッドライン論文として発表されている。