重要インフラの制御システムにおいてセキュリティリスクを可視化する

昨今、国内外において、工場の製造ラインや電気・ガスなど重要インフラを支える制御システムへのサイバー攻撃が多発している。制御システムは、企業活動や生活に欠かせない重要インフラをコントロールしていて、サイバー攻撃による社会的影響が大きい。早急なセキュリティ対策強化が求められている。

そこでは、システムや事業活動の一時停止が困難であるため、新たなセキュリティシステムを導入することは容易ではない。制御システムについて、そのセキュリティ強化に貢献するという。NTT Comは、セキュリティリスクの可視化技術「OsecT(オーセクト)」の実証実験を7月1日~来年2月28日に実施する。国内に制御システムを持つ製造業・インフラ事業者を中心に、同技術のトライアル利用者を募集している(応募フォーム)。

実証実験での試用においては、その導入から運用をすべて無償でサポートする。同技術は、多種多様なプロトコルが存在する制御システムのネットワークから、設定不要かつCPU負荷なしの「OsecTセンサー」経由で機微情報を間引きしながらデータを収集。対象データのみをクラウドにて蓄積・分析することで、制御システムを構成する機器、通信状況、セキュリティ上の脅威や脆弱性などリスクを可視化する。

NTTセキュアプラットフォーム研究所が独自開発した異常検知技術を実装しているため、悪意あるコマンドを制御システムに送信する攻撃など、従来検知が難しかったセキュリティリスクを見える化して迅速に対応できる。リモート環境からの利用も可能である。同技術について、今回の実証結果を踏まえ21年度中の商用化を目指し、改善に取り組んでいく。スマートファクトリの実現に貢献するという。

NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X」に基づくさまざまな仕組みを提供し、ニューノーマルの世界におけるサステナブルな未来の実現に寄与していく構えだ。