eラーニング、国内LMS市場は100億円突破へ

コロナ禍によって、研修のオンライン化が急速に進んだ。結果、オンライン研修の録画データを編集し、eラーニングのカスタムコンテンツとして再利用する企業が増加していて、これらコンテンツの管理・配信プラットフォームとしての需要がLMS(学習管理システム)市場の成長要因のひとつとなっている。

と、リサーチ・フェローが評する。独立系ITコンサルティング・調査会社ITRは今月20日、国内のLMS市場規模推移および予測を発表した。LMS市場の2019年度の売上金額は69億8,000万円、前年度比15.6%増となった。市場を構成するベンダーがいずれも売上げを伸ばした、なかでもトップベンダーの増分が市場全体の伸び率を2桁まで引き上げたという。

教育コストの低減が求められるなか、教育担当人員の確保も困難な昨今、企業では教育プログラムの品質を担保するためにLMSの導入が進んでいる。日本国内においては、働き方の多様化やリモートワークの広がりに加え、2020年からのコロナ禍によってeラーニングの需要が増している。そしてその管理の必要性から、LMS導入企業が拡大している。

製品・サービスの機能面でも、人材管理やWeb会議、チャットなどの実装や、そうした製品・サービスとの連携機能の追加など高機能化が進んでいて、リプレースやアップセルが進むと予想される。これらのことを背景に、国内LMS市場のCAGR(19~24年度)は13.7%、22年度には市場規模は100億円を超えることが見込まれるという。

今回の調査および予測の詳細は、『ITR Market View:人材管理市場2021』にて確認できる。このレポートには、人材管理市場、LMS市場、従業員エンゲージメント市場およびオンライン面接市場の国内全41ベンダーへの調査に基づいた2018~2019年度売上げ実績および2024年度までの売上げ予測が掲載されてある。