スマートビルからスマートシティへとつなぐ、データ基盤OSを実証

経済成長と持続可能な省エネルギーの両立をめざす。日本ではエネルギー基本計画等の政府方針を踏まえ、省エネ技術戦略/技術開発ロードマップが順次改定されている。

省エネルギー技術戦略」で掲げる重要技術を中心に、2030年には高い省エネ効果が見込まれる技術について、事業化までシームレスに技術開発を支援するというNEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において、竹中工務店は、スマートビル実現のためデータ基盤OS「ビルコミュニケーションシステム®」を開発。そして今月19日、「コモングラウンド・リビングラボ(CGLL)」にて実証実験を開始した。

ビルコミ®の導入によって、ビッグデータの取り扱いやAI適用など、多様な要求を持つスマートビルのユースケースに対応可能となる。ビルコミを用いたスマートビルは「ゲートウェイ」「データ・プラットフォーム」「アプリケーション(サービス)」で主要素とし、クラウドの一形態PaaSを用いて構築される。ランニング費用を抑えながら、高い可用性を実現できるという。

ゲートウェイやAPI接続用サンプル・ソースコードは開発パートナーに提供開始していて、ビルコミを利用した開発は容易に始められる。昨年末セミオープンしたCGLLのプラットフォームの一部としてこれを適用し、異業種コラボのための実証実験を行う。同社はビルコミを用いて、設備やIoTなどのデータ取得と保存、デジタルツイン・アプリを介した設備の遠隔設備操作、ロボット連携などの実証を担う。

CGLLは、照明・空調システムなどの設備に加え、施設内のモニタリングが可能なカメラやLiDAR(光検出&測距)といった多くのセンサが予め備えられた空間――。コモングラウンドの目的により、物理空間と仮想空間がリアルタイムかつシームレスにつながり、人間とロボットが共通認識を持つことが可能な未来の空間を創りだすことを目指している。