不動産売買DX、AI活用プラットフォームを実証する

さまざまな基盤にIT(情報技術)を浸透させて、より良い仕組みやサービスを実現していく。デジタルトランスフォーメーション(DX)が日本でも盛んにうたわれ注目されている昨今、米国をはじめとしたデジタル先進諸国においては、ITを活用した不動産買取再販ビジネスが台頭している。

一方、日本国内においても、「適正な価格帯であることが客観的に確認できれば、早く売却することを優先したい」といった顧客ニーズが一定規模ある、と考えられるという。大和証券SREホールディングスは14日、不動産価格推定エンジンを活用した「不動産買取再販事業者向けプラットフォーム」事業およびそのコアとなるAIモジュールの実証実験を開始した。

このプロジェクトを通じて、不動産の売主・買主に対する新しい取引の提供を探究し、ひいては日本の不動産流通のDXと更なる活性化に貢献していくという。実証実験では、上記プラットフォーム事業の実現に向け、SRE HDが大和証券から紹介された客へ、①売却仲介サービス、②AIを用いた買取サービス、③自分自身で売り出すセルフ売却サービスを提示し、②の売り方に対する潜在的なニーズやマーケット規模を検証する。

同プラットフォームにおいて、サービス利用者である売主は、不動産価格推定エンジンの価格を参照して、買取再販事業者が提示する価格の妥当性を判断し、売却の手間を削減しながら短期間で売却することが可能となる。買取再販事業者は、不動産価格推定エンジンを用いることで、自らが試算する買取時および再販時の価格について、膨大なデータに裏打ちされた高精度な査定価格の確認を達成できるという。

両社は、今回の実証実験を通じて、不動産買取再販ビジネスの日本における潜在ニーズを検証した上で、プラットフォーム事業の本格展開およびAIモジュールを活用したSaaSプロダクトとしての提供等を含めた事業展開を検討していく。