多様な粉体に対応するには、粉の特性を理解したうえで人が細かな手作業をする必要がある。それは単純作業であるがゆえに時間もかかる。このようなものづくり現場、あるいは品質保証現場で、多様な粉体に対応した秤量自動化システムは――これが具現化されれば、作業効率化につなげられるという。
AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組むエクサウィザーズは今月13日、同社が提供するプログラミング不要のロボット自動学習システム「COREVERY」において、粉体製造業の現場向け秤量自動化AIシステムを実現したことを発表。この成果と同時に、ツムラの漢方薬における品質試験作業の効率化に向け、同システムの試験導入を開始したことを明らかにした。
エクサウィザーズは、「COREVERY」を用いて、粉体製造業の現場向け秤量自動化AIシステムの開発を達成した。特許出願済みの「掬い取り制御」(粉体容器に対して、適切な粉体掬い取り位置を推定し一定量掬い取る)と、「振り落とし制御」(すくい取った粉体を振り落とし目標となる秤取量を達成する)の2つの動きをロボットに学習させることで、多様な粉体における高精度かつ人と同程度の作業スピードによる粉体秤量を可能とした。
そして、129種類にわたる多品種・多物性の漢方薬の品質試験検体処理作業の効率化が課題となっている、ツムラの品質試験作業において、秤量自動化AIシステムは2021年度研究開発部門へ試験導入されるという。エクサウィザーズは今回の取り組みを皮切りに、2022年度中に漢方薬生産施設での導入を目指していく構えだ。