医療従事者と家族の面談時、患者自身の同席が困難なことから、説明に必要な応対時間が長びく傾向にあるなど、医療従事者の負荷も増大しているという。シャープは、東京医科歯科大学と連携し、同社の「遠隔応対ソリューション」を活用した入院患者と家族、そして両者と医療従事者間のコミュニケーション改善効果を検証する実証実験を今月19日~6月30日まで行う。
「遠隔応対ソリューション」は、スマートフォンやタブレット端末により、病室とナースステーションなどのスタッフルームをつなぎ、"非接触"でのコミュニケーションを支援するソリューションとして、医療機関や福祉施設向けに昨年7月に発売したしくみであり、今回の実証実験は、シャープ製タブレット10台と同ソリューションを活用し、東京医科歯科大学医学部附属病院において、集中治療室(ICU)に入院する5名の患者の家族の協力を得て実施する。
病室および患者の家族宅にタブレットを設置して、ビデオ通話機能による患者と家族の"面会"を実現し、医療従事者と家族とのコミュニケーションの向上を図る。約6週間の実証期間中および実証終了後に、家族の満足度や医療従事者の負担軽減の度合いなどをアンケートするほか、医療従事者の応対時間や回数などを確認する。上記ソリューション導入によるコミュニケーションの改善効果に加え、コミュニケーション深化への効果も検証する。
同社は、この度の実証実験で得られた知見を活かし、新たな非接触ソリューションの開発や用途拡大に取り組み、社会課題の解決に貢献していく構えだ。