5G通信網で4K映像を伝送するリファレンスデザイン登場

第5世代移動体通信(5G)の商用サービスが拡大しつつある。現在、マルチアングルによる臨場感あふれる遠隔スポーツ観戦、自動車・建機等の自動運転、リモートでの医療画像診断など、5G活用に向けたさまざまな実証実験が始まっている。

5Gは日本政府のスマートシティ構想にも必要不可欠な技術として期待されている。大手キャリアが全国展開する高速大容量の5G通信サービスとは別に、5G規格の超低遅延・多数同時接続といった特徴をも生かして特定エリアで産業や行政サービスの課題を解決したり、個々のニーズを満たしたりする、地域の企業・団体が自らその通信網を構築・運営するローカル5Gの活用も今後さらに進んでいくだろうという。

PALTEKは、「5G」により4K映像を伝送するリファレンスデザインを開発し、実証試験に成功したことを今月6日に発表した。汎用性が高く、Linuxベースのソフトウェアで動くそれはザイリンクス製の「Zynq®UltraScale+™ MPSoC ZCU106評価キット」とTelit製の5G対応通信モジュール「FN980」とで構成されていて、5Gネットワークを活用した4K映像伝送でサービス構築をめざす顧客の開発効率化を支援するという。

同リファレンスデザインとドコモの5G SIMカードを用いて、SRTプロトコルで4K画像伝送試験を実施した。今回、カメラ側(4Kカメラ+ZCU106評価キット+FN980)からH.265/HEVCでエンコードした信号をアップリンクで送信。同社傘下のエクスプローラ(北海道函館市)が持つグローバルIPアドレスに向けて、横浜市内から画像を5G伝送した。結果、1Mbps、10Mbps、20Mbpsで安定した画像受信を函館で確認した。

PALTEKグループは、今後成長が見込まれるローカル5G関連市場において総合的なソリューションを提供し、顧客の価値創出に貢献していく考えだ。