地銀の渉外業務をDX、顧客情報が軸の全体最適に向けて

人口減少による資金需要の減少、低金利政策の継続、他業態からの参入による競争激化など、経営環境が近年厳しさを増している。地域金融機関においては、多様化する顧客ニーズに対応しつつ、それを収益力の向上や合理化・効率化に繋げる、仕組みづくりが一層重要になっているという。

電通国際情報サービス(ISID) は、コンコルディア・フィナンシャルグループの横浜銀行東日本銀行、ほくほくフィナンシャルグループの北陸銀行北海道銀行、ならびに七十七銀行の5行が新たに共同利用予定である「次世代SFA・CRM/融資審査システム」の開発パートナーとして選定され、NTTデータフォースと共に、同システムの開発に着手したことを今月6日に発表した。

営業支援や顧客管理、融資審査など、金融機関の渉外活動で多く縦割りであった情報を一元管理できるようにした「BANK・R」の実績と融資業務ノウハウ、BANK・Rをベースとした他行での周辺システムや追加機能の開発実績が採用のポイントとなった。システム検討段階で実施した行員インタビューによる「ありたい姿」の定義、課題の洗い出し、業務プロセスの改善案策定といったコンサルティング力についても高く評価されたという。

今回、上記次世代システムでは、「顧客」情報起点で業務を横断的に捉える全体最適の仕組み――顧客とのコミュニケーションの質的向上をサポートする仕組みを構築し、「営業支援」「顧客管理」「融資審査」に関わるすべての業務プロセスの機能をアマゾンウェブサービス(AWS)上にワンプラットフォーム型システムとして構成。個人・法人顧客関連のあらゆる情報を一元管理し、タイムリーに付加価値のある情報として利用できるようにする。

ISIDは5行の渉外業務における新たな営業スタイルの確立を目指し、「顧客情報活用の高度化」「業務の全体最適化」に資する新システムを2024年に稼働させる予定だという。