CO2の資源化及び流通をデジタルプラットフォームで促進する

2050年までにカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)を実現することを宣言した。日本をはじめ、今世紀後半の脱炭素社会の実現に向けて気温上昇1.5℃に抑える努力目標を共有している、世界各国において、二酸化炭素を回収して貯留や転換利用する"CCUS"への期待が高まっている。

パリ協定のことやそれに対する日本政府の取り組みが外務省Webで、そしてCCUSの進捗などが環境省Webでわかる――。現状、回収されたCO2は、廃棄コストを払って貯留されるか、価値資源として取引されるかのいずれかである。将来的にCO2の資源化需要を高めるには、CCUSバリューチェーンにおけるいまの課題を顕在化させるとともに、回収・輸送・貯留・分配・転換利用といった業務の流れ全体を最適化するための仕組みづくりが重要だという。

三菱重工日本IBMは今月6日、CO2を有価物として活用する新社会への転換を目指すデジタルプラットフォーム「CO2NNEX™」の構築に向けて協力し、来るべき新世紀へのクリーンな地球環境の保全に正面から取り組んでいくことを発表。CO2の流通を可視化・整流化することにより用途の選択肢を広げ、全ステークホルダーが一丸となって地球環境保護に貢献できる世界観を生み出すという。

同プラットフォームにより、サイバー空間にてCO2の流通全体をつないで可視化し、証跡を用いて投資・コストの検証も可能とする。エミッターと需要家のマッチング、工業や農業、燃料などの新用途に対する供給も実現して、CO2活用の裾野を拡げていく。

中立・公平性を担保し高度セキュリティを確保するブロックチェーン、弾力的で軽快かつ柔軟なクラウド、カーボンニュートラルに向けた需給の最適化を行うAIなどを活用する、「コネックス」について、両社はそれぞれの強みを生かして構築していく――今月よりPoC(概念実証)を行い、具体的に検討を進めていく構えだ。