レベル3ドローン物流にて、脱炭素化と集落の災害時支援を両立

温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロを掲げた。日本は、総土地面積の約7割が中山間(中間農業+山間農業)地域である。人口減少と少子高齢化などの課題を抱えた中山間地の集落は、災害時の孤立が懸念される。平時においても、輸送・物流サービスの品質維持が難しくなっている。

そこで物流手段を無人航空機(UAV)ドローンで代替することによるCO2排出量削減と、地域社会と協働した持続可能な物流システム構築の検討が必要になっているという。

A.L.I.は、福井県越前町AOIエネルギーソリューションが主体となり、空の駅協議会(事務局:再生可能エネルギー保全技術協会)の全面協力により4月21・22日に行われた、ドローン物流実用化のための実証実験(環境省・国交省連携「過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」)に運航担当として参画し、レベル3(目視外飛行・補助者なし)での飛行に成功した。

災害時、道路崩落により孤立した集落に、食品や救急・応急用品等の物資をドローンで輸送するという想定の下、ドローンテクノロジー/飛行管制プラットフォーム「C.O.S.M.O.S(コスモス)」を用いて、約1kgの物資を配送拠点(越前町立ホッケー場)から約7km離れた各中継拠点へ、対地高度最大約140m/時速18㎞/片道約30分で輸送した。以降、さらに中継地点から孤立集落まで輸送する実験を計画している。

今回、中山間地域の集落間における平時の物流手段および災害時の輸送手段としての有用性が実証できた。今後、東京のドローンオペレーティングルームからの遠隔運航管理を想定している。官邸資料にあるように環境整備が進み、増えていくと予想されるレベル4(有人地帯での目視外・補助者なし)の飛行実証や実用化に向け、A.L.I.は、日々安全対策をアップデートし、様々な地域特性に合わせた課題解決への貢献を目指していく構えだ。