火鍋チェーン店で食品トレーサビリティを担保しつつ配膳準備を自動化

食品安全レベルの向上と共に、スマートな店舗運営、管理、顧客体験を実現する新たなテクノロジーが求められている。そこで、IoT・AI技術を応用し自動化・効率化を実現した配膳システムを実店舗に導入。これまでの実運用での経験と知見の蓄積を通じて、同システムを進化させたという。

火鍋チェーンを展開する中国の外食大手「海底撈(かいていろう)」とパナソニックの合弁会社、北京瀛海智能自動化科技は、18年10月に海底撈スマートレストラン1号店の厨房向けに「おかず配膳システム」を納入した。このシステムは、タブレット端末からのオーダー情報をもとに、食材が盛り付けられた皿を冷蔵倉庫から運び出し、配膳トレイ上に配置するまでの作業を全自動化している。そして――

同社は、海底撈スマートレストラン1号店やその他店舗での2年間にわたる実運用を踏まえ、「新おかず配膳システム」を開発したと今月16日に発表した。新システムは「RFIDリーダー搭載で全皿の賞味期限を個品管理、食の安心安全を実現」、「セントラルキッチンと店舗を往復する通い箱から直接おかず皿を取出し補充」、「補充・配膳のロボット・システムの生産性を大幅に向上」といった特長を備えているという。

補充プロセスの無人化により、食品安全管理レベルを向上できる。上記1号店モデル比で、ロボットの制御軸数は80%減とした。システムの効率を改善したうえ、設備面積においても従来比で約30%削減してより省スペース化を実現している。

RFIDによる食品安全トレーサビリティ保証を踏襲しつつ、顧客の業務プロセスをより理解し、サプライチェーン全体の最適化視点でさらに進化させたおかず配膳システムを「海底撈上海陸家嘴金融城店」に納入した。同社は、今後も顧客の現場プロセスを革新する自動システムを更に進化させて、外食産業の食の安全と効率化を両立するソリューションの提供を目指していくという。