AI画像判定をワークステーションに搭載、現場でのスマート検査へ

機械学習AIは画像の認識や解析を得意とする。近年、その特徴を活かした仕組みづくりが産業・社会インフラ分野で盛んになりつつある。品質検査工程を省力化したり、仕分け作業を自動化したり、無人の店舗運営や検温などでもAI活用が進んでいる。

そこでAI画像判定サービスを18年末に開始。クラウドでの判定モデル作成~現場実行環境を一括提供し、顧客の構築作業を不要とした。それは、製品の形状や合格品の判定基準が画一ではなく、製品検査を人手に頼らざるを得なかった食品製造業で注目を浴び、使いやすさと高い判定精度で好評を得ている。安川グループとの連携でロボット等による排出機構までの提案、全自動化の検討段階に合わせたフルサポートが可能だという。

YE DIGITALは今月14日、AI画像判定サービスのオンプレミス検証パッケージ「MMEye Box」について、同月1日より東京エレクトロンデバイス(TED)が販売することを発表した。製造現場のスマート化やデジタル変革が推進されるなか、TEDでも製造ラインの自動化・省人化・効率化に向けたIoT×AI画像処理技術の提供を強化していて、今回、その取り組みの一環となる――

技術商社として高い技術力・支援力を有するTEDが販売する「MMEye Box」は、DELL製ワークステーションPrecision3640に搭載されて提供される。顧客は自社の研究所や工場などセキュアな閉域ネットワーク環境で、AIや画像処理の専門知識がなくても、パソコン画面上で「MMEye」のAIエンジンを用いた検証を容易に行なえる。モデル作成回数に上限がなく、AIパラメータのチューニングができるため、社内で様々な検討を存分に行えるという。

YE DIGITALは今回の協業が販路拡大のみならず、顧客での生産性向上や不良発生抑制による製造ロスの削減、人手不足解消、働き方改革促進に繋がることを期待している。